食品包装のあれこれ

 油の包装容器は家庭用と業務用とあり、家庭用の容器に関しては、そのほとんどがプラスチック製です。業務用の油の中には金属缶に入れられているものがあるものの、今後はプラスチックや新しい素材に移行する可能性があります。また、業務用の油は大量に運搬されますから、ミニタンクを設置しているお店もありますし、バッグインボックスを利用しているところもあります。バッグインボックスとは、プラスチックの外側を段ボールで覆ったフィルムを使用したもので、大量廃棄に向いています。こうした新しい供給方法も今後は増えていくのではないでしょうか。他方、ゴマ油やオリーブ油等の高級油については独自の路線が敷かれており、ペットボトルやガラス瓶が用いられています。理由は単純で、容器の透明度の高さが高級感を醸成するからでしょう。因みに油と言えば古くは一升瓶が用いられていた時代もあったようですが、重さや汚れやすさを打ち消すようなメリットが見当たらず、現在はほとんど使用されなくなりました。

 油と言えば、やはり酸化をどのように防ぐかが、包装材メーカーの腕の見せ所です。少しでも酸素に触れると劣化してしまうので、油を包装容器に注入する際にも注意が必要です。例えば容量の大きなボトルに注入すれば、ボトル内に侵入してしまう酸素量は増えるため、あまり大きな容器を用いることが出来ません。

ところで油に溶け入る酸素の量は、充填時の状況をもとに推測することが出来るのです。缶や瓶であれば、酸素の侵入チャンスは充填時に限られます。つまり、容器内の空き部分に含まれる酸素の量が、問題の量になると考えられるのです。他方、プラスチック容器の場合、通気性が若干あるため、充填後に侵入する可能性があります。