食品包装のあれこれ
3月 26, 2019

紙パックへの注入の仕方

 紙パックはシーリング後に加熱殺菌できないことから、シーリングまで無菌状態を維持することが大切です。方法としては2つに大別されます。一つはホットパック、もう一つはアセプティックパックです。いずれも空の紙パックの無菌状態を注入直前まで維持する点は同様ですが、「ホットパック」の場合、加熱処理した液体を熱いまますぐに注入してしまいます。「アセプティックパック」の場合、注入経路も無菌状態にすることで、液体が冷えてからでも注入することができるようです。因みに液体の種類は様々で、牛乳、ジュース、酒等が代表例ですが、種類によっては紙パックで包装できないものがあります。

 紙パックは軽いため、運搬に向いていることは当然ですが、開封も容易であるのが特徴です。一見するだけでは完全な箱としか認識できませんが、実は屋根状の部分を指で押し広げるだけで開封することが出来るのです。開封方式は他にも用意されており、プラスチック製の注ぎ口が取り付けられている場合もあれば、アルミニウム箔、ポリエチレンフィルムで出来た開封シールが付いていることもあります。

 ところで牛乳についてはその包装材にも、厳しい制約が付いて回ります。牛乳は日本でも重要な食品として位置づけられており、乳幼児、病人、高齢者が栄養を求めて口にするものです。ですから食品衛生法でもその取扱いが厳しく定められており、各メーカーは乳等省令を遵守しています。

例えば、牛乳、脱脂乳、加工乳を包装する容器としては、透明で口径の大きいガラス瓶、ポリエチレンの合成樹脂容器、ポリエチレン加工紙のいずれか、若しくはこれらを組み合わせたものでなければなりません。因みにガラス瓶の口径にまで制約があるのは、瓶の内部の洗浄、殺菌が適切に実施されることを担保するためです。