食品包装のあれこれ
11月 8, 2019

アクテイブバリア包装

アクテイブバリア包装に適用されている酸素吸収剤(スカベンジャー)は、無機系のものと有機系のものに大別できます。無機系のものは、還元鉄と亜硫酸ナトリウムが実用化されており、有機系では、アスコルビン酸類、ポリアミド/遷移金属触媒系、エチレン系不飽和炭化水素/遷移金属触媒系、シクロヘキセン側鎖含有ポリマー/遷移金属触媒系などが実用化されています。還元鉄系の酸素吸収剤は、還元鉄の微粉と酸化触媒をベースレジンにブレンドしたものが成形材料として使用されています。このタイプは、水がトリガーとなって酸素吸収機能が発現されます。実用化されている製品としては、PP系多層シートから熱成形された無菌米飯用トレイ、輸液ボトル用外装パウチ、レトルトスタンディングパウチなどがあります。米国においても、同タイプの鉄系脱酸素剤が開発されています。また、これを利用した鉄系の酸素吸収ラベルや、酸素吸収剤をコーティングしたタイプの酸素吸収フィルムの開発も行っているようです。その他、米国の企業が開発してものが、欧州の企業に引き継がれ、市場に出回っているものもあります。また、アスコルビン酸(ビタミンC)を樹脂にブレンドしたものも酸素吸収剤として使用されています。このタイプは、アスコルビン酸の酸化を利用しているもので、ガラスビールボトルの王冠のライナー材、広口びんのキャップのライナー材として使用されています。