食品包装のあれこれ
9月 4, 2020

ムダのない江戸の暮らし

江戸時代のトイレは「厠(かわや)」「雪隠(せっちん)」と呼ばれ、今でいうところの「ぼっとん便所」のように、排せつ物をバケツにためておくような作りであったようです。そして現代においては考えられませんが、排せつ物を貴重な資源としてわざわざ引き取りに来る人がいたそうです。排せつ物は「下肥(しもごえ)」として野菜などの農作物を育てる肥料にしていたそうです。江戸の人びとの精神を「もったいない精神」などと表現することがありますが、まさに排せつ物さえもまったいないということで、何事もむだにしない生活のサイクルが出来上がっていたようです。ムダのない社会システムを構築していた江戸の町は、現代の東京の街よりもはるかに「エコロジー」に長けていた巨大都市であったようにも感じられます。あらゆるものの使い捨てに慣れてしまっている現代人の暮らしは、モノを大切にする精神からかけ離れてしまっているかもしれません。