食品包装のあれこれ
4月 11, 2020

ガラスびんの強度

ガラスびんの強度を向上させるためには、一般に種々の表面処理が行われています。びんに用いられる表面処理には、一般に3種類あり、第1のタイプが、びん内面の化学的耐久性を向上させるものである。第2のタイプは、びん外面の傷つきを防止する目的で行われるもので、ホットエンドコーティングとコールドエンドコーティングがあり、第3のタイプは、びんのガラス自体の強度を向上させるものです。これらの表面処理は、ガラスびんを軽量化する目的のためにも適用さ、ガラスびんの外面に保護コーティングを施すことも行われています。ガラスびんの内表面の化学的耐久性を向上させるために、2種類の処理法が用いられおり、第1の方法は、成形機から徐冷炉までのコンベヤー上か、徐冷炉の入口で、びんの中にS02ガスを噴射し、ガラス中のナトリウム成分を除去するもので、ブルーム処理とも呼ばれています。このガスは約550~600℃の温度のガラス表面と接触し、ガラス表面に存在するナトリウム原子と反応し、結果として、ガラス表面にNa2S04の堆積物が形成されます。この堆積物がブドウなどの果実に付いている白いブルームに似ているというのが名称の所以です。このブルームは客先で洗い落とされ、処理を行ったガラス表面は非常に高い化学的耐久性が得られます。第2の方法は、S02ガスの代わりにフロロハイドロカーボンガスを使用するもので、ガス中のフッ素原子が高温ガラスのナトリウムと反応しているものと考えられています。この方法でも高い化学的耐久性が得られ、ブルーム処理のような内面処理は、リンゲルびんなどの医薬びんに適用されています。このような処理により、びん内表面のソーダ分があらかじめ除去されるので、ソーダ分の溶質が防止でき、さらに化学的耐久性の効果が得られます。