食品包装のあれこれ
11月 4, 2020

熱収縮がプラスチックフィルムの利点

食品包装で要求されることが多い、開封の容易性という点でメリットがあり、冷凍食品からボイル食品、レトルト食品への利用が多くみられます。一方二軸延伸で製造されたフィルムは、耐衝撃性、ガスバリアー性が特に求められる分野で多く利用されています。またフィルムの性質として「熱固定」と呼ばれるものがあります。これは常温では延伸している状態のときは元に戻ろうとする縮む力が働きますが、延伸状態で加熱すると加熱温度以上にならないとこの縮もうとする力が働かないという性質と言い、この性質を上手に使用すれば、加熱しないでも戻ろうとする性質を利用した「シュリンクフィルム」と呼ばれる収縮フィルムとなり、食品を包装したのち加熱して内容物に密着させることで固定する熱収縮性プラスチックフィルムともなるという具合です。実際に食品関連で使用されているのは、ジャムなどのビンや、酒の紙パック、ペットボトルのシュリンクラベルなどに応用され、また生鮮肉向けでは温水(75~80℃)で短時間に収縮させたり、畜肉加工品で行われている長時間の高温ボイル殺菌を可能とした高収縮フィルムとしても応用されています。さらに強度に優れた二軸延伸ナイロンは、水物や大袋用、冷凍食品から魚の干物といった耐ピンホール向けに応用されています。